抱っこするとき、いつも支えていたお尻のあたりを、toraが嫌がるようになりました。
最初は「今日はそういう気分じゃないのかな」くらいに思っていたのですが、それでもやっぱりおかしい。「怪我でもしたのか、それとも何かの病気なのか」——いつもと違う様子が、すぐに確信に変わりました。
翌日、以前のかかりつけを受診しました。病院に向かう車の中では、いつものようにトンネルを通るあたりからおんおんと泣き叫ぶtora。
ただ、toraとこの病院の先生は、正直なところ相性が良くありませんでした。toraが先生を苦手としていて、レントゲンも注射も受け付けず、まともな検査ができる状態ではなかったのです。かろうじてできたのは、私が抑えての体重測定とお腹の触診くらい。
先生は分厚い医学書を持ってきて、「この病気の可能性があります。手遅れかもしれません」と、重篤な病名を挙げて説明してくれました。病名は今となっては思い出せないのですが、その深刻な響きだけはよく覚えています。
提示された選択肢は3つでした。
- 薬で様子を見る
- 麻酔をかけて治療する(ただし麻酔による死亡リスクはゼロではない)
- 遠方(犬山)の動物病院に連れて行く
その場では①を選び、薬をもらって帰宅しました。
薬は以前からなんとか飲んでくれる子だったので、そこは助かりました。飲ませながら経過を見つつ、自分でもネットであれこれ検索して可能性を探っていました。そして翌日の再受診で、思い切って聞いてみたのです。
「肛門腺の可能性はないですか?」
先生の反応は「飼い主さん、正解です」というようなものでした。当てたこと自体は良かったのですが、正直なところ、この時の先生の態度に、不信感がより強くなったのを覚えています。再び医学書を持ってきて、今度は肛門腺について説明してくれましたが、「この子の場合、うちでは処置ができません」とのことで、また同じ②③の選択肢に。
翌日がちょうど仕事休みだったこともあり、③の犬山行きを選びました。
車で3時間、妹に付き合ってもらっての遠征です。ところが、この日は不思議と鳴くこともなく、車の中でおとなしく寝ていました。いつもと違うその静かさに、こちらまで少し緊張したのを覚えています。
着いてみると、以前のかかりつけではつけることすらできなかったエリザベスカラーを、あっさり装着。肛門腺を絞って薬を塗ってもらい、飲み薬と塗り薬を処方されて、「2週間後に経過を診るのでまた来てください」とのこと。拍子抜けするくらいあっさりと帰路につけて、以前のかかりつけとの違いを強烈に感じた瞬間でした。

2週間後の再診では、toraもいつもよりおとなしく、いい子にしていました。とはいえ、肛門腺を絞られた瞬間はやっぱり痛かったのか驚いたのか、いつも通り母ちゃんはガブリと噛まれて、手が腫れるほどに。

本当は猫に噛まれたら、すぐの消毒と人間側の受診が必要です。私の場合は週末で受診のタイミングを逃してしまい、そのまま腫れてしまいました。同じように猫との生活で噛まれた経験がある方は、ぜひ早めに対処してあげてください。
この犬山への再受診の通院で、慣れない長距離移動と慣れない病院を、古く狭いキャリーの中でtoraにずっと我慢させてしまっていることに、正直申し訳ない気持ちになりました。この先もまだ通院が続くかもしれない——そう思うと、居心地の良いキャリーに買い替えようと決意しました。
これが大当たりだったのです。toraが自分から進んで入るほどのお気に入りになり、今ではすっかり「toraハウス」として定着しています。toraが一目惚れのように気に入ったのは、最初に買ってあげたお気に入りの青いボンボン以来のこと。辛い通院がきっかけでしたが、思いがけずいい買い物までできました。
経過は順調で、「エリザベスカラーはもうしばらく着けたままで大丈夫です。こちらにはもう来なくていいので、地元の病院で経過を診てもらってください」と言われました。
このできごとをきっかけに、toraと以前のかかりつけとの相性の悪さをはっきり自覚し、転院を決意。地元の今のかかりつけに相談することにしました。
その後、肛門腺のトラブルが再発したことはありません。療養食も見直し、定期的な尿検査も含めて、今のかかりつけにお世話になっています。
転院までの詳しい経緯は、また別の記事でお話ししますね。
▶ 続きの記事「犬山への再受診、まさかの大惨事だった一日【番外編】」はこちら


コメント